其の1.始まりは、ここから

2/8
178人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
   「麻生ぉぉぉ!!」 ガラッ!  ――バンッ!! 勢いよく教室の戸が開けられたと思えば、凄い音を立てて戸が向こう側に当たり、二度、酷い音が聞こえる。 しかも、名前を呼ばれてるのは、赤の他人でも誰でもなく ――俺だ……!! 「おい、麻生!」 叫びながら、激しい勢いで戸を開け放った人物が俺の元へ来る。 ハッキリ言って、瞬間移動が出来る能力が今の俺にあったら……直ぐにしたい所だ。 いや、瞬間移動じゃなくても、 透明人間でも、 忍者でも、 変身できるでも何でもいい! とりあえず、とりあえず……目の前に居る、高田から逃げたい。 いや、逃げ去りたい!  姿を隠したい!! 「麻生、お前……何かしたんか?」 俺の前の席に座ってた友達、春野が呑気な声で問いかけた。 何かしたか? なんて……そんなの、俺が教えて欲しい事だ!
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!