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ここまで走ってきたと思われる
(というか、本当に走ってきたんだ)
高田は、ハァハァいいながら、その合間に俺を教室から連れ出すような言葉で促す。
「あ、あぁ……」
イエス以外の選択肢が与えられない状況下の俺。
断じてノーなんて言う勇気なんてなく、渋々席を立って、高田の後を付いて行く事になった。
********
彼に連れられて来たのは人気の無い屋上。
周りは涼しい……いや、寒い風が吹いている。
そして、俺達二人の間に流れた雰囲気も、勿論……風がビュービュー吹いてる感じで……さ、寒い。
いや、凍りついてしまいそうだ……。
「麻生!」
「は、はい!」
俺より一回り小さい高田が、俺を見上げながら名前を呼ぶので、俺も背筋がピーンとなって、つい、イイ返事で返してしまった。
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