保護された透明人間

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「透明人間何て、実現不可能だろう」 「人体は透明に出来ても、衣服が透明に出来ないとか言うんだろ?」 天才の誉れ高い友人を前に、まず思い付いた屁理屈をこねてみる。 「そうさ。それに食べた物や、消化途中の物はどうなる。どう考えたってグロいだろう」 「お前の事だから、絶対そう言うと思ったよ」 「じゃあ、どうするんだ?」 「実質は人を透明にするモノじゃないし、光学迷彩の類いでもない」 「何だそりゃ」 透明にしない? それに光学迷彩って何だ? 「光学迷彩は光の屈折率を変えて其処に在るモノを見えなくする技術だが、お前の頭じゃ理解出来んだろうからカメレオンみたいなものとだけ言っておこう」 うおう、何だよ人を馬鹿にして。そりゃ学校じゃ万年最下位の成績だったけど。 留年しないで卒業出来たんだ。そう馬鹿にするなよ。 「カメレオンって、一々色を変えるのか。それこそ透明と同じで無理が有るんじゃね」 「ああ、それでは見えなくなるのに時間が掛かるからな。これは人を光速化するモノさ」 「何だ。スピードアップかよ」
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