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今日も朝から道場で身体を鍛える。
雄二も刹那も、喧嘩なんてよく売られてるくせに、場合によってはあっけなく負けてしまう。
いつでも俺がついてまわるわけにもいかず、高校の付近で俺が強いなんて知れ渡るのも避けたいから、出来るなら自分たちでどうにかしてほしい。
だからこの夏休み中に少しでも強くなってもらわなければと思う。
雄二は昨日に引き続き一人ひとり相手をしてもらっている。
刹那に関しては雄二と反して少し筋力が落ちているようだ。
俺は午前中はひとりで身体を動かすことにした。
唯も俺と同じことを思ったらしく、少し離れた場所で同じようにひとりで身体を動かし始める。
唯はかなり強い。
見た目に騙されて、手を出そうとしたなら簡単に返り討ちにされる。
刹那には本気で殴ったりしてないからあの程度ですんでいるのだ。
一応、俺の知り合いだからと思ったのだろう。
今日もまたいくつかの視線を感じた。
唯からは不機嫌オーラが漂っている。
動きの中で雄二と視線が重なった。
お前自分の特訓どうなったんだよ。
内心思いながら刹那からの視線があることにも気づいた。
刹那は俺と唯を交互に見ていた。
「雄二、あいつらなんであんな綺麗な動きできんだろ。」
「小さい頃からやってるからじゃねーの?」
自分らがどんな動きしてるかなんてわからない。
ただ、動きながら負荷をかけ、使う筋肉を鍛えているだけなのだ。
隣で動く唯から声がかけられた。
「蝶哉さん。午後手合わせ頼んでもいいですか?」
「いいよ。この中じゃ唯が一番、力を出しきれるから俺にとっていい訓練になるよ。」
そう言うと唯はさっきまでの不機嫌が嘘のように、嬉しそうに笑った。
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