第7章

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お昼の後の休憩時間に俺は雄二に朝聞こうと思っていたことを聞いてみることにした。 「雄二。やりたいこと見つけたって言ってたけど、いい目標できた?」 「あー。あれね。見つけたよ。後で話そうとは思ってたけど。俺、廉さんに弟子入りしようと思うんだ。そして一人前になれたら蝶哉のパートナーになる。」 なるほどなぁ。 仕事面のパートナーとなるには確かに廉の情報屋あたりが最適だ。 「俺専属になってくれんのね?ありがと。雄二。」 ニッコリ笑って言ってやったら雄二が頬を赤らめていた。 一人前になるには時間がかかるだろう。 俺は高校を出たら大学へ行くつもりだ。 表向き行動をすることは少ないといっても、作戦の組み立てや、行動に移す時期や時間、情報から推測出来る様々な結果、相手を知ってどう対応するかなどの全ての基礎、案を任されている。 まだまだ知識が足りないのが現状だった。 そのために大学への進学を決めた。 龍や廉も俺が地方へ行くとなればついてくる。 廉の弟子となれば雄二も一緒に来るだろう。 けれど、身体を鍛えるということを考えると、あまり遠くに行かず、この場所から通える範囲を選ぶのがいいと思った。 「蝶哉は進学?」 「そのつもりだよ。どこにするかはまだ決めてない。廉の弟子になるならお前も一緒に行動することになるから不安にならなくて大丈夫だぞ。」 「なんか、蝶哉には読まれてるなぁ。俺お前に勝てる気しないもん。」 俺もお前に勝てないことがあるとは言ってやらない。 きっとこれを言ってしまうと調子に乗ると思うから。 あの行為をする上で俺は雄二の思うがままだから。 何をされてもいいとさえ思えてしまう。 自分がここまで誰かに固執するとは思わなかった。 今まで誰にも恋愛感情を抱いたことのない俺の初恋が雄二だ。
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