第7章

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休憩が終わり、午後の訓練を始めた。 俺と唯は軽く準備運動をして、互いに向き合った。 なぜか他のみんなが観客としている。 道場の管理者の哲が『ちゃんと見ておけ。いい勉強になる。』なんて皆に言っているのが聞こえた。 俺からしたらいい手本になるなんて思えない。 強さとしてはそれなりにあると思っているけれど、他の人たちの勉強になるかはわからない。 「本気でやりますよ。蝶哉さんも手加減なしですからね。」 「わかったよ。」 そういうと俺たちは互いに手を、足を相手に入れていく。 避けて、受け止めて、流して、踏み込む。 スピードは徐々に上がる。 力も少しずつ強くなる。 完全に手加減なんか出来るはずがない。 周りは静かだった。 その中で雄二と刹那の話し声が聞こえてくる。 戦いの最中であっても、周りの音や声を聞き逃してはいけない。 そのため、会話があれば聞き取ってしまう。 「雄二。俺、所々見えないんだけど。お前見える?」 「俺も刹那と同じだな。あいつらすごいな。蝶哉はたぶんまだ力残してるな。」 ご名答。 動きは見えないところあってもそのあたりはわかるんだな。 俺は完全に本気を出すことにした。 全ての感覚を研ぎ澄ませる。 一瞬で決着がついた。 唯が膝をつく。 「参りました。」 「ありがとう。唯。いい動きが出来たよ。」
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