第8章

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数十分後、廉からメールが届いた。 〝〔樋渡 空〕父親である樋渡 幹人は瀬古谷組構成員である。幹人の兄貴分にあたる有木 空雅が幹人の息子の空へ接触。2人の間になんらかの関係あり。〟 樋渡の父親が瀬古谷組の構成員だったとは知らなかった。 接点あるのは幹部くらいなものだから仕方ないのかもしれないが。 「蝶哉。何かわかった?」 「わかったといえばわかったけれど、樋渡の悩みがわかったわけではないんだよ。原因はこいつだろうというのはわかったけど。」 俺は雄二に答えると、廉へ返信した。 〝2人の関係が何かわかったら教えてくれ〟 直接2人が一緒にいる時に接触するしか解決の方法はないのかもしれない。 2日後、刹那から空が携帯を握り締めて青ざめていると連絡が来た。 俺と雄二は2人の部屋へと行き、青ざめる空に何があったと聞いても何も言わず、震えているだけなのだ。 携帯に誰かからの連絡があったのだろう。 その内容が空へ何らかの影響を及ぼしたのだと推測した。 それから空は新学期が始まり、金曜と土曜の夜には帰らず、日曜の夕方に帰ってくるという生活が続いているらしい。 刹那は唯へのアプローチのほうが忙しいらしく、刹那は空の様子を俺たちに教えてくれるが、深く追求することもないようだ。 廉からあるマンションの1室へ週末になると2人揃って入って行くとの連絡があり、新学期が始まって1ヶ月過ぎようとしていた金曜日の夜に、俺たちは2人がいるだろうマンションへと行くことにした。
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