第8章

7/16

225人が本棚に入れています
本棚に追加
/274ページ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 空雅の気持ちがわからない。 〝これから毎週金曜に学校終わったらすぐにマンションにおいで。日曜の夕方に帰してあげるよ。来なかったらわかってるよね?〟 もう開放してほしい。 何のために自分がこんなことをされているのかわからない。 最初の時でさえ脅され、無理やりに抱かれた。 逃げたいけれど、父親への影響を考えると俺は抵抗なんて出来なかった。 空雅の立場は父親より上だ。 俺は空雅の上の人は誰も知らない。 父親は俺を仕事先へと連れて行ってはくれなかったから。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 俺が初めて愛した人は別にいる。 初恋は綺麗な顔をした5歳下の男。 それでも立場がかなり違ったから思いを伝えることなんて出来ない。 空を見た時、可愛い子だなと思って、空の父親が幹人だと知ってこいつならと思ってしまった。 最初なんて脅して無理やりで、あの人の代わりにしたようなもの。 空が夏休みに入ると夏休み中を使い、毎日空を呼び出しては抱くようになった。 俺は身体では空を抱き、心ではあの人を抱いていて。 少しの罪悪感があったものの、結局気持ちよさげに喘ぐようになった空を抱くことをやめられなかった。 俺は遊びに嵌ってしまったんだ。 気持ちを伝えられないままのあの人を完全に忘れることなんて出来ないままに、空を可愛いとも思う。 止めることなんて出来ないから、新学期が始まっても週末を縛ることにした。 無理やりだから気持ちなんて俺に向かないんだろう。 あの人の心も、空の心も手に入らない。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加