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俺たちは廉の案内で、マンション前まで来ていた。
マンション前に止めた龍の車に、廉と俺と雄二の合わせて4人が乗っている。
唯を振り向かせるのに必死な刹那は、役に立たないのはわかっているから、何も言わずに置いてきた。
「廉。どうやって中に入るんだ?」
「それはですね。コレです。」
廉の手には鍵があった。
おそらく廉が調べた、彼らのいる部屋の鍵だろう。
どこで手に入れたのかは聞かないでおくが・・・。
「ある伝で手に入れましてね。これを使ってそーっと入ってみましょうか。」
廉は何かを企むような顔をしている。
こいつ楽しそうだなと内心思ったけれど、空が心配なのも事実だ。
俺は空雅という男をよく知らない。
幹部という話だから何度か接点はあったのだろうが、記憶が曖昧なことから今までに話す機会はそれほど多くなかったはずだ。
「行くか。」
俺がそういうと3人は頷き歩き出す。
目的の部屋に着いて、廉がそっと鍵を開けた。
玄関で靴を脱いで中へ入る。
2人が中にいるのは靴でわかった。
すると、聞こえてきた声にまさかと思い、声のする部屋へと急ぐ。
「やっ・・・だめ・・・んあっ・・・あぁぁぁぁぁ。」
2人はそういう関係であって、空の悩みというのは恋の悩みなだけだったのか?
それを確かめる必要もあるのだが・・・。
俺たちは大きく息を吐いた。
声のするドアをそっと開けてみると、やっぱりそこにはどこからどう見ても恋人たちのセックスの真っ只中にしか見えない。
小声で俺たちは会話をした。
“これどう見ても強姦ではないよね?”
廉の言葉に俺たち3人は頷いた。
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