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いつもの空雅がどんな感じなのかわからないけれど、顔色が悪いことだけは4人にはわかった。
服を着て部屋から出てくると、「待たせてすみません」と礼をして一言残し空雅は、キッチンへと向かう。
お湯を沸かしていることから、飲み物を用意してくれるのだろうと予想できたけれど、空雅の顔色の悪さを思うと、何かありそうだとは思えた。
少し遅れて部屋から空が出てくる。
「おはようございます。樋渡 空といいます。」
空に背を向けている俺と雄二には気づかなかったようで、自己紹介を始めた。
振り向いて「おはよう」と声をかけると空は驚いた表情をする。
少し間があったものの、すぐに我に返り、
「久遠?牧野?・・・え?・・・なんで?」
俺と雄二の姿に驚いた空は直後俯き赤面していた。
自分が空雅に抱かれている場面を見られたことを思い出したのだろう。
「樋渡。とりあえず聞きたいことあるから座って?」
俺がそう言うと空はソファの開いてるところに座った。
しばらくすると空雅がコーヒーを入れて持ってきた。
「どうぞ」と言って俺たちの前のテーブルにコーヒーカップが並ぶ。
空の隣に座った空雅は、まだ青褪めた顔をしている。
俺は2人を観察することにして会話を廉と龍に任せることにした。
雄二はまだ詳細を知らされないまま来てしまったため、隣で大人しく見ている。
「まず、2人は恋人なの?」
「いえ。」
「違います!」
廉が聞いたことに対して、2人の答えた声は重なっていた。
お互い好きだけど自覚がないのか?
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