第9章

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空雅を縛り付けていた縄をなんとか解いて、空雅の顔を見たら安心して、俺はそのまま空雅に向かって倒れこんでいた。 ごめん。 でも少しだけ許して。 空雅。 好きになってごめん。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 縄を解いてくれた空が倒れこんできた。 こんなにボロボロになって。 可愛い顔が傷だらけで。 俺は空を抱き寄せるように抱きかかえた。 来てくれたってことは嫌われてはいないと思っていいのかな。 部屋に連れて帰って綺麗にしてあげないと。 傷の手当も。 俺の部屋にまた連れて行ったら怒るかな。 でも、俺の気持ちも伝えるいい機会だと思う。 拒絶されたらそれは仕方ないけれど。 空。 ありがとね。 大好きだよ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ やっと終わったか。 あの必死さから空は自覚しているとは思うけれど。 この先は2人でなんとかなるかなと思う。 あとで空雅から報告を聞かせてもらおう。 「空雅。ごめんな。こんな形になって。」 「いえ。蝶哉さんはきっかけをくれたんですよね。こんな形でなければ空は俺の所に来てくれなかったでしょう。」 確かにそうだとは思う。 あとで空にも怒られそうだと思う蝶哉だった。
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