第9章

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病院にいくほど空の怪我は、見た目ほど酷くはなさそうだ。 それなら空を空雅が手当てをしたらいい。 「空雅。お前が手当てしてやれ。あとはなんとかするから帰っていいよ。どうせ車で来たんだろ。」 「すみません。お言葉に甘えさせていただきます。」 「それと、連絡先はおいていけ。状況聞きたくてもこっちから連絡できないんだよ。」 空雅は連絡先を渡してなかったことに気づいたようで、俺に自分の連絡先を書いた紙を手渡してきた。 「遅くなってすみません。では、今日はこれで。」 空雅が足早に帰っていく姿を見送って、不良たちをどうするかと思う。 少し考え、廉に電話を入れて、龍と来てもらった。 「また派手にやりましたねぇ。」 「俺がやったわけじゃないけどな。」 「蝶哉が発案者だろ」と隣で雄二が呟き、苦笑いを返す。 不良たちを軽く手当てをして集めさせた。 今回のことのお礼と、今後どうするかを話すためだ。 同じ学校の上級生たちは、俺に舎弟にしてくれと頼み込んできた。 他のやつらは空雅が落ち着くまでは廉と龍で面倒をみることに決まる。 「もし空雅に捨てられそうになったらそのまま面倒みてやるからな。」 龍がそんなことを言う姿を見て、面倒見がいいからなと思う。 俺は上級生に話をした。 「俺は学校では優等生してるつもりだから他人のふりするけどいいのか?」 その問いに上級生たちは頷いて返事をした。 仕方なしに使ってやることにして、雄二にも今まで絡んだことを謝っている。 確実に俺が連絡つくとはいえないために、上級生たちとは俺と雄二の2つの連絡先を交換した。 もちろん龍や廉とも連絡先の交換をしていたが。 やっと落ち着いたと思った。
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