第10章

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副会長の香坂に続いて答えたのは生徒会長だった。 そういえばと思い出したように、生徒会長が自己紹介を始める。 「知ってると思うけど、俺は生徒会長の渡瀬 玲麻。和輝と同じ2年だよ。よろしく。君のことは知ってるから自己紹介は大丈夫だよ。」 「わかりました。よろしくお願いします。」 説明が途中だったねと渡瀬が続ける。 「生徒会は2人1組でのペアで行動する。よっぽどのことがない限りいつでも行動は一緒になる。理由は仕事内容が大きいかな。この学校は校風が自由で、校則も緩い分いろんな人がいるよね。」 「そうですね。」 俺はペアでの行動という部分は置いておくことにした。 後から説明があるだろうと思ったからだ。 「生徒の中心にいる生徒会役員は生徒に負けたり、言いくるめられたりしてはいけない。だから強さも必要だし、君のような頭もいい人が適任なわけ。洞察力は相手を見きわめることが時に必要になるから。さっきの和輝を押さえ込んだ状態を見ると君は実践慣れしてるね。」 「まぁ。そうですね。」 渡瀬の洞察力もすごいと思う。 会長には必要なものなのだろう。 「それで、ペアのことだけど、一番信頼できる相手を勧めるよ。ペアとなって入ってくれる人の成長は後からでもいい。俺たちは君に生徒会に入ってもらいたい。」 「少し考える時間をもらえますか?」 簡単に結論は出せない。 一番信頼出来る相手は思い浮かぶけれど。 「いいよ。あまり長くは待てないから、1週間あればいいかな?1週間後にもし入ってくれるのならペアの相手を連れてきてくれるかな?」 「わかりました。今日はこれで失礼します。」
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