第10章

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いつもより少し遅くなって寮に戻ると、雄二はもう帰っていた。 「おかえり。遅かったね。」 そう言ってキスをしてきた。 いつものように受け入れる。 俺は雄二を抱きしめたまま答えた。 「帰りに生徒会に呼ばれたよ。雄二は生徒会どう思う?」 「いいんじゃない?謎が多いけどね。入るの?」 やっぱり雄二も謎が多いと感じたか。 「誘われたけれど考える時間もらった。入るなら雄二も一緒な。」 「え?・・・俺?何も言われてないけど。」 俺は今日聞いてきたことを雄二に話した。 ペアを組むのは雄二以外を考えてないから。 「なるほどね。でも面白そうだね。そうしたら学校でも蝶哉とずっと一緒にいられるってことじゃん。それってすごくない?」 「そこはいいんだけど。何か引っかかる気がしてね。少し調べたほうがいいかもな。」 俺は廉に電話を入れた。 そして自分の通う学校、その中の生徒会の裏になにかあるだろうことを伝え、調べられる限り調べてほしいと頼んだ。 期限は1週間後の返事をする前日にした。 当日メールでもいいけれど読む時間があるのかがわからないため出来るだけ前日でと話す。 自分でも学校で周りにさりげなく聞いてみようと思った。 1週間後に返事をしなければならない。 受けるなら雄二と共に、受けないなら一人で生徒会室に行くことになる。 何もないならそれでいい。
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