第10章

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次の日の放課後、俺と雄二の部屋に刹那と空が来ている。 ずっと空が話したいと言っていたらしく、空雅との仲を取り持ったあの日から1週間以上経っていた。 苗字で呼ぶ俺たちに、空は名前で呼んでいいからとお互い名前で呼び合うことに決まる。 あれから空雅は空の回復と共に休暇を終え、復帰したらしい。 空雅に連絡を入れて状況を聞いたときに、付き合うことになったことを聞いてほっとした。 お礼を言われたけれど、荒療治的なものにお礼を言われてもしっくりとこないのだ。 刹那と空に俺が生徒会に誘われていることを雄二が話した。 すると空から意外なことを言われる。 「会長って渡瀬って人だよね。あの人の親って確かうちの父親と仲良かったと思う。」 それが本当なら敵というわけではなさそうだ。 同業での敵かは別として。 そういえば空は俺の素性を知らないんだったよな。 そのうち教えることになりそうだから今はいいかと思う。 「空の父親って瀬古谷組だよね?同じとこってこと?」 「それはどうかな。空雅が言ってたけど、もっと上がいるらしいから。」 あそこの上となると実家のことか。 廉に頼んで正解だったと思った。 話変わるけどと空が言う。 「蝶哉って実は学年トップの実力あるんだって?テストいつも手抜きらしいじゃん。勉強教えてよ。」 やっぱり空雅から聞いたか。 怪我させてしまったこともあるからやるしかないだろうな。 ということはもしかして刹那もか? 「俺も教えて!お願い!」 「お前もかよ。俺も教えてもらうけどな。」 3人に増えてしまった。 これ以上増えなきゃいいか。 「わかったよ。刹那と空はどこがわからない?」 どこって言われても。と2人は顔を合わせていた。 これ雄二と同じパターンじゃないよな・・・?
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