第10章

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数日後、廉から電話が入った。 内容は生徒会長、渡瀬玲麻に関することである。 渡瀬玲麻の父親は苗字は違うものの、久遠組の諜報員となっているらしい。 本格的に諜報員として行動する頃に家族に被害が出ないようにと離婚をし、息子の玲麻を母親の姓にしたということだった。 どうやら生徒会長の頭脳は父親譲りのものらしい。 副会長の香坂和輝に関しては今の所、普通の一般家庭のようだ。 2人の関係は恋人であり、母親同士が友人ということだった。 学校そのものに関しては、今の所は普通の高校で問題ない。 他の生徒会役員は合計4名(2組)で追加メンバーを2名(1組)必要としている状態。 ペアのことに関しては生徒会室で聞いた通りのことで、追加情報を手に入れ次第また連絡をすると言って廉は電話を切った。 「蝶哉。どうだった?」 「今の所は生徒会は入っても問題ないね。他のメンバーに関しての情報がほしいとこだけど。調べてくれるのを待つしかないかな。」 他4名がどこの誰なのか全くわからない。 生徒会に入ることになれば全員が集まって自己紹介でもすると思うけど。 その前に詳しいことを知っておく必要があった。 「俺は蝶哉に従うよ。蝶哉のペアの相手は俺なんだろ?」 「一番信頼できる人と言われたからね。雄二以外にいないんだよ。」 「ありがと。」 そう言う雄二は嬉しそうに頬を赤らめていた。 俺はそんな雄二が可愛く思えて、抱き寄せてキスをする。 互いに舌を絡ませていく。 雄二とのキスは気持ちがいい。 今までの誰とも比べ物にならないくらいに。 初めて恋愛感情を抱いた相手。 惚れてしまうとこれほど快感は溢れてくるのかと思った。
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