第10章

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余韻に浸りながら、俺はさっき言い終わらずに中途半端だった言葉を雄二に伝える。 「俺、男はお前が初めてだからな。お前と会うまで誰かを好きになったこともない。惚れたお前だから俺はこうなるんだろう。最初に言ったはずだ。好きになったらどうなるかわからないとな。」 「確かに言われた。それが俺を好きになってくれた結果なら俺は嬉しいよ。蝶哉、愛してる。」 「俺も、愛してるよ。雄二。」 そして俺たちは互いの唇を合わせた。 *** 翌日、朝食を終えた俺たちは刹那を連れて空雅のマンションに行くと、空が飛び出して言ってきた。 「蝶哉。聞いてよ。空雅にわからないとこ聞いたら俺がわかるわけないだろって。教えてくれないんだよ。」 「空。俺は本当にわかんないだけだ。それより何呼び捨てしてんだ?」 「俺は友達だからいいの。お前と違うの。年上だからわかると思った俺がいけないのか?」 朝からなぜか賑やかだ。 「勉強すんだろ?早く始めろよ。」 空雅に言われ3人はテーブルに向かう。 俺はやれやれと後を追う。 「悪いな。週末くらいしか会えないんだろ?」 「空が勉強するというのなら仕方ないですよ。それに貴方の願い出を拒否する権利は俺にはありません。」 「それとこれとは別なんだがな。まぁいいか。」 空雅も状態を見たいと何故か勉強会へ混ざり、俺は4人相手に教えることになった。
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