第10章

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お昼近くなった頃、俺は3人に問題を置いて、空雅を連れてお昼の買い出しに外へ出た。 「すみません。蝶哉さんにこんなこと手伝っていただいて。」 「俺たちが勝手に来て自分らのお昼が必要になっただけだろ。気を使う必要ないと思うんだが。」 結局弁当でいいかということになり、明日は作ろうということになってスーパーに行くことになった。 空雅と話ながら歩いていると声をかけられる。 という解釈は違うかもしれないが。 「兄ちゃんたち。ちょっと待てよ。」 俺と空雅はため息しか出なかった。 「俺のせいですかねぇ。」 「そういうわけでもないと思うが。」 見るからに不良? 状況からして相手が誰なのかわかってはいないだろう。 「ちょっとだけ金貸してくれるだけでいいんだよね。」 「最近身体が訛ってきてる気がしてるんで、ちょっと相手してきます。」 「手加減してやれよ。」 はい。と言って空雅が数人の不良たちの元へと歩いていく。 お金は貸せないという空雅の一言に彼らは殴りかかってきた。 力ずくでと思ったのだろう。 けれど空雅に勝てるわけもなく、1発ずつ鳩尾へと拳を入れられ、倒れこんでいく。 「まだ用があるか?」 見下ろして空雅が低い声で問うと、彼らは一斉に首を横に振った。 それを見て空雅はこっちへ戻ってくる。 「終わったか?いい運動にもなってなかった気がするが。」 「そうですね。後で身体動かしますよ。終わったので行きましょう。」
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