第10章

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マンションからそれほど遠くない距離のスーパーまでの間に絡んでくるやつがいるとは思わなかった。 俺たちはお昼の弁当と明日のお昼の食材、空雅の必要なものを買い込んで戻る。 リビングへのドアを開けて目に入った光景は、暗く項垂れる3人の姿だった。 「どうした?終わったか?」 俺が3人に聞くと、 「俺は半分くらい解けたけど残りがわかんね。」 「「全部わかんない。」」 「雄二が半分くらい解けるのは当たり前だね。2人はさっきまで教えた部分が含まれているはずだけど、そこは1つも解けてないってこと?」 もう一度教えてくださいと頼まれ、午後にその問題にそって教えることになった。 あまり進まない気がするのは気のせいか。 最初の頃から教えていた雄二はなんとかついてきている。 他2人はどうしたものか・・・。 「とりあえずお昼にしよう。」 空雅がお弁当をテーブルに持ってくる。 ひとまず広げた勉強道具を片付けてお昼にすることにした。 「さっきは俺の知名度はまだまだ低いんだなと思いましたよ。」 空雅が俺に言ってきて、そこに反応したのは空だった。 「さっき?何があったの?」 「数人の不良たちに金を貸せと要求されたから断ったら殴りかかってきたんだよ。全員動けなくしてきたけどね。」 「へぇ。空雅がいてよかったな。蝶哉。」 その言葉に空以外は首を傾げた。 あれ?というように空が続いて首を傾げた。 「空?何か勘違いしてない?」 「え?何が?」
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