第10章

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空雅の言ったことが何なのかわかっていない空は聞き返す。 「空。この5人の中で一番強いのは誰だと思ってる?」 「え?空雅だろ?」 その発現に空以外が沈黙した。 なぜだと思う空は更に聞き返す。 「え?違うの?」 「違うよ。一番強いのは蝶哉さんだよ。」 空雅の言葉に雄二と刹那がウンウン頷いているが、俺はとりあえず弁当を食べることにする。 「まじで?頭よくて、喧嘩つよくて。完璧じゃんか。」 「だから蝶哉さんは尊敬や憧れの対象になるの。」 「蝶哉の恋人は一番安全な場所に居られるわけだね。幸せ者じゃない?」 俺の恋人ねぇ。 一番安全かどうかは別だな。 簡単に守られてくれるやつじゃないから。 「そうとも限らないと思うよ。蝶哉さんに釣り合うようになりたいなんて考えたら大変だろうね。」 「へぇ。そうなんだ。苦労するかもしれないんだね。」 隣で雄二が苦笑いをしている。 刹那は雄二に何か言いたそうだ。 そういえば刹那には前に実家にいた時に知られていた。 空が俺のほうを見て言ってくる。 「で、蝶哉。今恋人は?」 恋人ならこの場にいるんだけど気づかないのもすごい。 俺ってわかりにくいのか? 俺は少し考えて、 「いるよ?」 隣で雄二が落ち着かなくなっているのが雰囲気でわかった。
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