第10章

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雄二の様子をどう思ったのか刹那が心配そうな顔で見守っている。 「誰?俺知ってる人?」 「俺はなんとなくわかったけど。」 誰なのか聞いてくる空に対し、空雅は気づき始めたらしい。 「空雅ずるい。俺も知りたい。教えて。」 俺は雄二のほうを見ると、雄二は諦めたようだった。 それを見た空は、 「もしかして雄二も知ってるの?」 「知ってるというか…何というか…。」 そう解釈するのか。 知ってるのに違いはないんだけど・・・。 俺は大きく息を吐き出した。 そして、 「雄二。」 「ん?」 こっちを向いた雄二の首に手を回し、雄二の唇へ自分の唇を合わせた。 軽いキス。 「わかった?」 俺は空に向かってそういうと空は頬を赤らめて呆然としている。 刹那は顔を背けて小さく息を吐いた。 「やっぱり。そうだったんだ。」 そう言ったのは空雅だった。 「俺はみんな気づいていると思ってたよ。だから何も言わなかったんだけど。気づいてさえいなかったんだね。」 「まじで?え?いつから?」 我に返った空に質問攻めにあう。 けれど昼食の終わった今、片付けをして午後の勉強が待っているのだ。
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