第10章

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今でも守ってあげたいことに変わりはない。 けれど雄二は自ら強くなろうとしている。 対等な立場になりたいと願っている。 ならばその手助けはしてあげたいと思う。 「これは雄二に聞くより、蝶哉に聞いたほうが・・・。なぁ蝶哉。」 「お前蝶哉に何聞こうとしてんだ?」 後ろでじゃれてる2人がやけに平和に思えた。 俺は後ろを振り返り答える。 「刹那は何が聞きたいんだ?とりあえずこんなとこで話す内容じゃないだろ。部屋で話せばいい。」 「ほら。優しい蝶哉が話してくれるって。」 「お前なんか殴られて気絶でもしとけ。」 そんなやりとりをしながら部屋へと入る。 刹那も俺に質問があるといって一緒に来た。 「刹那の聞きたいことってなんだ?」 「どうしたら唯君に思いが届くかなって思って。蝶哉なら何かわかるかと思ったんだ。」 雄二は後ろから俺に抱きついている。 離す理由もないため俺はそのまま身を預けた。 「たぶん唯は俺と同じようなものかもしれない。」 「「え?」」 雄二も反応すんのかよ。 「雄二には最初に言ったはずだけどな。というより最近も言ったよな?で、刹那。唯はたぶん今まで誰かを好きになったことないと思うぞ。付き合ったことからしてあるかわからない。キスひとつであそこまで怒るんだからそれすら初めてかもしれないし。」 「まじで?」 「あー。そういうことか。反応の違いはその違いもあるのか。」 刹那は何か考えている。 雄二は俺をギュッと抱きしめている。
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