第10章

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俺は当時を思い出した。 そして、刹那に約束をさせた。 「今から話すことはここだけの話にしといて。」 「わかってる。」 刹那の返事を聞いて俺は話に入ってこない雄二に説明を任せた。 それまで聞いていただけの雄二が落ち着きがなくなる。 「雄二。説明任せたよ。」 「まじで?俺?はぁ・・・。」 大きく息を吐いて雄二が仕方ないと話し出す。 「確か・・・3回目のキスの時だったかな。」 「は?3回?雄二3回も寝てる相手にキスしたんかよ。」 俺は苦笑いで続きを聞く。 「キスしたら、上から頭押さえつけられてディープキスされた。そして「俺が好きなの?」って聞かれた。」 「すげー大胆。うわー蝶哉かっこいー。そして雄二が肯定した?」 かっこいーって何がだよ。 雄二の抱きしめてくる腕に力入ってるけど。 「まさかそれで終わりじゃないよな?まだあるだろ。」 「その時蝶哉に言われたんだよ。「本気なら俺を惚れさせてみろ」って。」 雄二は覚えてるんだなって思った。 それがすごく嬉しかった。 「まじかよ。俺も言われてみたい。やっぱ蝶哉かっこいーな。俺も唯君に言われてみたい。そしたら俺頑張っちゃうのに。蝶哉はその時どう思ったわけ?」 雄二は顔を耳まで真っ赤にして刹那を睨む。 俺はそんな雄二が可愛く思えた。 「キスされても嫌な感じしなかったから、最初は試しに付き合ってみるかと思った。だから言ったんだよ。」 へぇ~と刹那はなぜか楽しそうだ。 お前らの時洗いざらい吐かせてやろうと思った。 「そういう台詞言われたら惚れ直すだろ。」 「まあな。てか毎日のように惚れ直してるから。」 俺、惚れ直されるようなこと言ってねーよ。 「何お前。毎日のように格好いい台詞言われてんの?もしかして毎日やってんの?てかどっちが入れてんだ?」 「それお前に言う必要ねーだろ。もういいから自分の部屋帰れ。」
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