第10章

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そして、生徒会へ返事に行く前日の夜、廉から電話が来た。 他のメンバーにも問題なく普通の一般家庭だということだった。 ただ、その中に瀬古谷組との関わりを持つものがいないわけではなかった。 それでもこの程度であれば問題ないと判断した。 ばれたらばれたで身内同然であるため話して解決できるだろう。 一番の問題は会長だった。 実家との関わりが完全に切れているかはわからない。 けれど父親が諜報員である限り完全に関わりがないとはいえない。 俺はとりあえず生徒会に入ることに決め、雄二を連れて返事をしに行くことにした。 次の日の放課後、俺は雄二と共に生徒会室へ行った。 そこには会長の渡瀬と副会長の香坂がいた。 相変わらず他のメンバーは見当たらない。 「いらっしゃい。入ってくれることを決めてくれたんだね。ありがとう。」 「いえ。せっかくのお誘いでしたので。」 渡瀬の言葉に適当に返事をする。 そして言っておかなければならないことがあると思った。 「何か質問などあるかな?」 「質問は今はありませんが、言っておくことがありますね。俺の周りで起きたことに関しては全て俺の責任としてください。友人に関しても先輩後輩に関しても全てにおいてです。そしてその問題に手を出さないでもらいたい。問題が起きたときの責任もそうですが、何かしら手を加えたことがわかった時点で、俺たちは生徒会を辞めさせていただきます。その際今後俺たちと貴方方に関わりは一切ないと思ってください。これに承諾していただければこのまま入らせてもらいましょう。」 俺の言ったことに会長は快く承諾した。 副会長は少し戸惑いがあったようだけど会長が承諾するならと頷いた。 こうして俺と雄二は生徒会に入ることになった。 テスト終了後に改めて説明をするということになり、その時残りのメンバーを紹介すると言われた。
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