第1章

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それとですね。と廉が話を切り替えた。 何か情報を掴んだようだった。 「何かわかったことでもあったか?」 「はい。箕逆木組をご存知ですか?」 どっかで聞いた気がするな。 どこだったか…。 「いや。聞いたことはあると思うんだけど、思い出せない。」 「あそこは何でもありの組織ですが、最近うちのやつが取り込まれてしまったようでして、情報が漏れたようなのです。」 何に釣られたんだろうな。 見つかったらどうなるかわかっているだろうに。 「そいつ誰かわかったのか?」 「今調べてるところです。見つかり次第全て吐かせますが。」 廉はニッコリと笑って言った。 こいつは笑顔でとんでもないことやるからな。 「どうやらあちらさんはうちを取り込もうと考えているようです。」 「なるほどな。それで何かわかったのか?」 そこから聞いた話は確かにうちとは対立するだろう内容だった。 うちではやらないことを向こうは平気で取り入れる。 使えるものは何でも使う。 未成年だろうがおかまいなしだ。 きっと抵抗すれば待っているのは死。 背後にいるのが箕逆木組ならば確実に牧野が危ないと思った。 うちとしてもつぶす必要もあった。
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