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それから1ヶ月とかからず、牧野の所属する族とその背後関係がわかった。
最悪な状況なのは確かだ。
牧野は毎日のように新しい傷を作り、日々やつれているような感じがした。
俺はすぐには動けない。
何かきっかけでもあれば…。
それから数日後、俺は牧野の友人と言う川霧に呼び出された。
見た目からして牧野と同じ部類で、俺とは正反対に見えるだろう。
クラスからは久遠君をいじめないでとか、何かしたら許さないんだからと女子の声が響いていた。
何かがあるわけないんだけどな。
実際の力の差は川霧では俺の足元にも及ばない。
「呼び出して悪かった。あそこでは話せない内容なんだ。」
「何かあった?」
おそらく牧野のことだろうと思った。
牧野は今日は休んでいる。
そして昨日も寮に帰ってこなかった。
少し躊躇いながらも、川霧は何かを思い出したのか辛そうな表情を見せる。
「久遠は雄二と同室だろ。雄二から聞いたけど俺らの話も聞いているよな?あいつ連れて行かれたんだ。俺のせいで。久遠頭良いだろ?何か助ける方法考えてくれ。頼む。」
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