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牧野の捕らわれた場所はもう目の前だった。
後ろで震える川霧がいる。
「川霧。ここで待つか?」
「俺も行く。」
震える声でやっと口にした言葉は必死に勇気を振り絞ったように聞こえる。
内心足手まといとも思いながら、そこにある友情も見えてこういうのもいいかもしれないと思った。
俺はメガネを外す。
こればっかりは邪魔にしかならない。
「さて、行こうか。」
俺の一言で廉も降り、川霧も震える足を必死に押さえて降りた。
倉庫の中にどれだけの人数がいるかはわからない。
この倉庫の中に牧野がいるのは確かだろう。
今回共に動いてもらうのは久遠組傘下の瀬古谷組だ。
彼らには本部への襲撃をメインで頼んである。
後から此方にも駆けつけてくれるだろう。
思いっきり扉を開くと、そこには20人程度の箕逆木組の人間がいた。
腕を縛られた牧野が傷だらけでつるされていた。
「なんだぁ。お前らぁ。ここがどこだかわかってて来てんのか?」
正面突破だから気づくだろうけど。
あまり強そうに思えないのは気のせいか?
「なぁ。廉。こいつら本当に強いの?」
「強いらしいですよ?蝶哉さんから比べたら弱いでしょうけれど。」
「それは廉よりも弱いってことだな。さっさと片付けるか。」
その言葉に激怒した箕逆木組のやつらが襲い掛かってくる。
川霧は怯えたまま動けていない。
動けないのに来るなよ。
内心思って目の前の敵を片付けることにした。
数分もかからず全てが終わった状況に川霧が目を見開く。
「川霧。ほら。行くぞ。」
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