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俺からしたら強くなければいけない環境だった。
いつどこから誰が何をしてくるかわからない。
そんな環境で自分の身を守るためには、知識も計算も自分には必要だった。
どこをどうしたら勝てるかとか、何をすれば相手を負かせるか。
何人も相手にしたときは、頭脳戦も必須だと考えた。
だから頭も鍛え、身体も鍛えたのだ。
そうして出来上がったのが今の俺で、確かに途中から楽しくなってきていたことは認める。
自分が無傷で勝てることが楽しく思えた。
不利な状況ならなおさら。
俺のあの家での立ち居地は参謀になり、情報収集の得意な廉と組むことになった。
情報収集においてトップを誇る廉と、俺の奇抜な作戦で組織がどんどんでかくなっていったのだ。
親父がまとめ役ではあったけれど、実際動かしているのは俺という環境になっていた。
親父の後を継ぐのは兄になる。
俺はこのまま参謀として動くことになるだろう。
殆ど外に出ることはないけれど、知られれば真っ先に狙われる。
怖くないかと言われれば、怖くないとは言えない。
それでも自ら弱音は吐くことは出来ない。
今の自分には全てを見せられる相手がいないのだから。
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