第1章

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俺からしたら強くなければいけない環境だった。 いつどこから誰が何をしてくるかわからない。 そんな環境で自分の身を守るためには、知識も計算も自分には必要だった。 どこをどうしたら勝てるかとか、何をすれば相手を負かせるか。 何人も相手にしたときは、頭脳戦も必須だと考えた。 だから頭も鍛え、身体も鍛えたのだ。 そうして出来上がったのが今の俺で、確かに途中から楽しくなってきていたことは認める。 自分が無傷で勝てることが楽しく思えた。 不利な状況ならなおさら。 俺のあの家での立ち居地は参謀になり、情報収集の得意な廉と組むことになった。 情報収集においてトップを誇る廉と、俺の奇抜な作戦で組織がどんどんでかくなっていったのだ。 親父がまとめ役ではあったけれど、実際動かしているのは俺という環境になっていた。 親父の後を継ぐのは兄になる。 俺はこのまま参謀として動くことになるだろう。 殆ど外に出ることはないけれど、知られれば真っ先に狙われる。 怖くないかと言われれば、怖くないとは言えない。 それでも自ら弱音は吐くことは出来ない。 今の自分には全てを見せられる相手がいないのだから。
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