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それから俺は時間のある時に2人と組み手をすることになった。
牧野が弟子にと言った後に、川霧まで俺も弟子にしてくれと言ってきたのだ。
1人でも2人でも変わらないと思った俺は了承した。
寮の部屋を使うこともあったけれど、出来ることが限られるため、廉に場所を借りてもらうこともある。
廉は情報収集に忙しい。
毎回頼める状況ではないために、広い場所を探して空き地を見つけ、放課後3人で空き地へ向かっていく。
周りからは異様な光景に見えていたかもしれない。
「なかなか強くなれない…。」
「俺も指導が上手いとも言えないからな。」
「いやいや。久遠はかなり強いよ。息切れひとつしないだろ?」
お前らの体力がなさすぎなんだと思うが、簡単には体力は上がらないだろう。
ある程度ならば、実践が一番なんだろうけどな。
あとは才能だ。
「俺は物心ついたときには、組み手なんか毎日やってたからな。」
「まじで!?俺もそんな環境ほしかった。」
「なくていいかと…。平和が一番だと思うよ?」
そうだけどさぁと牧野は空を見上げた。
飲み物を買いたいという川霧とコンビニに寄っていく。
空き地は学校からそれなりに離れてはいた。
歩いて30分。
程よい距離だと思う。
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