第3章

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テスト期間中は学校が早く終わる。 なぜか放課後にクラスの半数が俺のところに集まってくる。 内心鬱陶しいと思いながら相手をすると、予想通りの言葉が飛び交う。 「明日の数学教えて。」 「科学がわからない。」 俺学年トップじゃないんだけど。 そう思いながら学年トップを見つけると近づくなオーラが出ていた。 だからこっちに来たのか。 集まってきた中に牧野はいなかった。 どうせ帰ったら勉強をやらされるからと先に帰っていったのだろう。 「1時間だけでいい?要点だけを言っていくから。」 そう言うとありがとうという声が一斉に聞こえてきた。 俺はさっさと帰りたい。 教えるのは1人で十分だよ。 内心思うけれど言えない自分がいた。 俺も甘いな…。 1時間きっちり要点を教えていくとみんながメモしていた。 これでやること終わったと思い寮に帰ることにする。 ふと廊下の窓から外を見るとそこには牧野と川霧、そして上級生らしき人が数人集まっていた。 あれは談話という雰囲気ではないよな。 せっかくだから行ってみよう。 ここのところ身体を動かしていないからもしかしたら動かせるかもしれないと思った。 少しワクワクしながら牧野たちの所へ急いだ。
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