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こちらを見た男の顔が一瞬で崩れた。
「蝶哉さん!?廉!?」
突然立ち上がって驚いた顔で言ったことで、俺たちは一斉に注目を浴びていた。
「龍。お誘いありがとう。」
ニッコリ笑った廉に龍は顔を顰めた。
俺も廉に続いて笑顔で龍へ言葉を送る。
「龍。ずいぶんと楽しそうなことしてるね。」
龍は笑顔が怖いとぶつぶつ言いながら、自分が座っていた一番豪華な椅子を蝶哉に座らせた。
その光景を見た族のメンバーは何がおこっているのかわからないという様子でざわめき出す。
おそらく説明を待っているのだろう。
椅子に座った俺の両隣の一歩下がった所に廉と龍。
龍が口を開く。
「この方は俺の直属の上司にあたる蝶哉さんだ。失礼のないようにな。ちなみにこの方は俺より強いぞ。」
目の前に並ぶ族のメンバーが返事をした。
そして呆然とこの光景を見る牧野と川霧。
「偶然てあるものだね。俺の友人たちが誘われたというから、一緒にきてみればそこには俺の部下がいた。牧野、川霧。そこに立ってないで、こっちにおいで。」
族のバックについた龍。
そして龍の上司となる蝶哉。
その友人である彼ら。
この場にいた全員は2人には手出しをできないだろうことを悟ったようだ。
この瞬間から染谷の2人に対する態度が一変したのだった。
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