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帰ろうとした俺に電話が入った。
『蝶哉。こっちきてんだって?夕食一緒に行こう。友達も連れて来い。泊まるとこは心配しなくても家に部屋いっぱいあるから大丈夫だぞ。』
テンションの高い父親が電話の向こうで一方的に話し出す。
俺は頭を抱えたくなりながら、ため息しか出なかった。
店まで指定され、結局予約しちゃったからとみんなで向かうことにした。
「久遠のお父さんてどんな人?久遠の家に泊めてもらえるんだろ?」
車の中で牧野に聞かれるけれど、どう答えていいのかわからない。
運転席では廉が笑いながら牧野の問いに答えた。
「会ってみればわかるでしょう。他に何人か来るでしょうし。」
「確かに1人ではこないな。本当に家に泊まるのか?」
俺は再確認というように牧野と川霧に聞いた。
「行かないほうがいいならやめとくけど。」
「いや…。拒否権は与えられないと思う。」
わかっていない2人はのん気に車に揺られていた。
「まぁ。何かあっても、何を見ても驚くな。」
龍あたりが連絡したのだろうか。
兄はおそらく来ないだろう。
来るとすれば唯あたりか。
にぎやかになりそうだ。
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