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豪華な食事が目の前のテーブルいっぱいに並んでいる。
親父の一言でこの場にいる全員が食べ始めた。
俺にとっては小さい頃から何度も来ている慣れた味だ。
“うまい”“初めて食べた”“すげー”
牧野、川霧、染谷の3人はこの場の状況を忘れ、はしゃいでいた。
「蝶哉。お前の友達を紹介してくれ。」
親父に言われ、俺は箸を止め、2人を呼んだ。
俺のとこまで来た牧野と川霧が挨拶をする。
「初めまして、牧野 雄二といいます。」
「初めまして、川霧 刹那です。」
俺が牧野は寮で同室なんだと付け足す。
親父がじっと2人を見て、染谷のほうを向いた。
「あっちは蝶哉の友達ではないのか?」
「あそこにいるのは龍が連れてきたんだよ。」
それを聞いた親父が龍を呼び、染谷を紹介させた。
次に何も知らない3人へ親父が自己紹介をしようと自ら名乗る。
「3人は今日が始めてだから俺のことは知らないだろうな。俺は久遠組、組長。久遠 道明。蝶哉の父親でもある。よろしくな。」
牧野、川霧、染谷が呆気にとられ、固まったまま動かない。
聞かれなかったから俺は答えなかっただけだ。
しばらく3人はその場で口を開けたまま固まっていた。
こうしてあっさりと俺の素性は父親によってばらされたのだ。
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