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次の日、朝食の時間に顔を出した母を見た3人が、母から目をしばらく逸らせずにいる光景は、不思議としか言いようがない。
母が部屋を出て、その方向から咄嗟に目を逸らした彼らが、何かを呟いていたけれど聞き取れなかった。
帰りの車の中で牧野から言われたことで、朝食の時の3人の動作の理由がわかった気がする。
「久遠のお母さんて美人だな。」
川霧が隣でウンウン頷いている。
確かに自分の母親ながらに美人なほうだとは思うけれど。
そこまで目をキラキラさせて言うほどのことだろうか。
「そう?」
「久遠は絶対母親似だね。」
それはよく言われてきたため否定はしない。
兄も顔つきは母親似だと思う。
けれど俺と違って兄の見た目は、がっちりとした体系だ。
俺とは筋肉のつき方が違うらしい。
運転席から話が変わるけどと廉が言ってきた。
「龍も一緒に来るそうですよ。俺のところに転がり込む気らしいです。」
「へぇ。」
「染谷を降ろしたら行くから。と言われましたよ。しっかりと荷物はまとめたようです。」
やれやれとため息をつく廉。
けれどその横顔はどこか嬉しそうでもあった。
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