第4章

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月曜日学校に行くとテストの結果が貼り出されていた。 上位50人の名前と総合点の表が壁に貼ってあり、せっかくだからと見てみると、自分の名前は4位にあり小さく息を吐く。 もう少し手抜きしてもよかったかな、と内心思いながら牧野の名前を探した。 1学年250人くらいいるため、短期間の勉強ではやっぱり50位以内には入れなかったらしい。 張り出されている紙で確認出来ないなら、直接聞いて確認するしかない。 教室ではあまり話すことはないため、寮に帰ってから聞くことにした。 教室に入るとそこは俺の実家を知る人なんて牧野くらいしかいなく、平和を感じさせる雰囲気に安堵する。 ここにいると争いなんて別世界に感じるのだ。 席に着くと前の席のクラスメイトから話しかけられる。 ふと視線を感じて振り向くと、牧野と目が合った。 すぐに目を逸らされたけれど、何か話があるなら来ればいいのにと思う。 俺は前の席のクラスメイトとの会話を再開した。 何気ない会話、平和な日常、いつまでもこんな日が続くといいなと思う。 寮に戻り、牧野に結果を聞いてみた。 「今回赤点なかった!久遠のおかげだ。ありがとう。」 かなり嬉しそうに言われた。 そして疑問に思ったことがあったようで聞かれた。 「そういえば久遠はいつ勉強したんだ?上位に入ってたよな?」 「ん?勉強しなくても授業を真面目に聞いていれば解けるだろ?」 「へ?・・・ムリムリムリ。」 なぜ無理なのだろう。 俺のほうが疑問だ。
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