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「牧野。お前さ。俺が好きなの?」
牧野は耳まで真っ赤になっているように見えた。
直球すぎたか?
「うん。迷惑か?ごめんな。」
「いや。俺、今まで誰かを好きになったことないからよくわからない。でも、お前にキスされて嫌な感じはしなかったよ。」
俺が言ってやると牧野はどこかほっとしたような顔になった。
それでもまだどこか不安げな顔をしている。
俺はベッドから起きて牧野の前に立ち、牧野を抱き寄せた。
「牧野。お前が本気なら、俺を惚れさせてみろ。俺は、今まで恋愛感情というものを持ったことがない。だからそうなった時に、俺がどんな風になるかはわからない。今俺は牧野以上に気になるやつはいない。付き合ってみるか?お前のしたいようにしてみたらいい。」
牧野は黙って聞いていた。
そして少しの間があったあとに、
「いいのか?俺本気で久遠が好きだ。付き合いたい。俺に惚れさせてみる。」
「なら決まりだな。」
俺をぎゅっと抱きしめてきた牧野は、少し身体を離すと俺に口付けてきた。
最初は軽く、そして徐々に深くなっていく。
俺はその気持ちよさに浸った。
少しずつ牧野を好きになってきているのだろう。
俺が本気で誰かを好きになった場合どうなるのだろうか。
まだ知らない自分があることが少し楽しみになった。
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