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「今日も持ってきてくれたよな?イツキクン。」
「は…。はい…。こ…これ…。」
怯えるように封筒を差し出す少年。
彼は中学1年生。
入学して3ヶ月過ぎた頃だった。
封筒を受け取った彼は上級生だろう。
目つきは鋭く、いかにも不良そうな雰囲気で、体つきもがっちりしている。
身長も少年より20センチは高く見える。
彼は3年生だった。
このあたりでは有名な不良グループのリーダーでもある。
その背後には3人の男が見える。
イツキという名の少年が怯えるのも無理はない。
「これだけ?イツキクン。少ないと思わない?」
その場にいた手下と思われる男がイツキを鋭い目で見下ろしながら言う。
怯えたイツキの頭の上から水が降ってきた。
手下の男に頭から水をかけられたのだ。
ぶるっと震えた。
それでもイツキは耐える。
何も言えなくなったイツキを今度は痛みが襲う。
殴られているのだ。
いつか終わるから大丈夫と自分に言い聞かせ、イツキは耐えていた。
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