第4章

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相当な運動をした後の倦怠感が身体中を襲う。 体力はあるほうなのに身体がだるい。 牧野はまだ俺の中に入れたままだ。 そのまま俺に体重を乗せ抱きしめてきた。 「久遠。綺麗だ。愛してる。」 それが俺には心地よく響いてくる。 俺は気づいた。 そうか、俺は牧野を好きになっていたんだ。 けれど、まだ牧野と同じ思いではないかもしれない。 それでも伝えようと思った。 牧野を少しでも安心させるために。 「牧野。好きだよ。牧野と同じかはわからないけれど。」 牧野の腕に更に力が入ったのを感じた。 俺は牧野を抱きしめ返した。 肌の温もりも気持ちいい。 人を好きになるということはこういうことなのかなと。 少しはわかったような気がした。 俺はいつの間にか意識を手放していたらしい。 気がつくと外は明るくなっていた。 今日はまだ平日で学校に行かなければならない。 身体に痛みはないけれど、倦怠感がかなり残っている。 出来れば動きたくない。 休んでもいいかと思い、学校に連絡を入れた。 2人で寝るには少し狭いベッドで、隣にはまだ牧野が寝息を立てている。 今まで感じたことのない感情が湧き上がる。 こいつは何があっても守っていこうと思った。
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