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借金をどこにしているかも調べる必要があるけれど、雄二の親にも会う必要がある。
まずは親父に相談しなきゃならないことがある。
「雄二。ちょっと待って。電話するから。体勢このままでもいいけど座ったほうがいいだろ。」
雄二は自分のベッドに俺を連れて行き、自分が座って俺を前に座らせ抱えるように両腕を腰にまきつけてきた。
まぁいいかと俺は雄二に寄りかかり、親父の携帯へ電話をかけた。
『蝶哉。どうした?』
「ちょっと頼みたいことがあるんだけど。」
電話で事情を全て話した。
親父は裏で手を打ってくれると言ってくれ、雄二のこともこっちで面倒みてやると、学校の支払いをしてやると言ってくれたことにホッとする。
ただ、雄二の両親との話をするため、親父も一緒に雄二の親に会いに行くと言い出した。
断れるはずもなく、日程を親父に任せ、俺は詳しい情報を得るために廉へ電話をかけた。
廉が電話にでない。
何かあったのではと思ったけれど、外はもう暗くなっていて、出かけることはできない。
明日は休みだからと思い、朝から廉のマンションに行ってみることにした。
合鍵なら渡されている。
後ろから抱き着いている雄二へ言葉をかけた。
「雄二。親父が学費とか払ってくれるって。ただ、話し合う必要もあるから雄二の親のところに行くことになる。とりあえず情報がほしいから明日の朝、廉のところに行こう。」
「わかった。・・・ありがとう。蝶哉。」
そういうと俺の背中に頭を乗せてきて、腰に回された腕に力が入った。
せっかくここまで通えていた学校を辞めなければならない状況は、雄二にとっては凄く辛いだろうと思う。
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