第5章

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危うく本来の目的を忘れるところだった。 「ところで廉。俺は情報がほしいから今ここにいる。」 「なんでも聞いてください。」 すっかり仕事モードに切り替えた廉が龍と共にソファに腰を下ろした。 「雄二の親についてのことだ。」 俺の雄二への呼び方が変わったことに少し驚いてはいたものの、すぐに切り替えたらしい。 さすがプロだな。 「牧野のご両親のことですか?そういえば借金を抱えているとか。」 さすが情報が早い。 それを知っているのならもしかすると。 「さすがだな。その借金について、どこに借りてるとか、今どんな状況だとか詳しいことが知りたいんだが。」 「そうですね。確か借りてるとこは〔サンサン金融〕ですね。黄是組がやっています。ただ、金額が相当なものですから帳消しとはいかないでしょう。」 黄是組か・・・。 これも親父に言う必要があるな。 「金額がどれくらいかわかるか?」 「現在5千万はいっているかと思われます。」 どうしたらそこまでいくんだ? 人間性を疑いたくなるんだが・・・。 「雄二。お前の親父さんそんなに金にルーズなのか?」 「俺がいたときはそうでもなかったと思うけど、俺が知らなかっただけかもしれないし。」 子供には黙っていたということか? 実際話してみないことにはわからない。 まずは親父に電話を入れることにした。
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