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危うく本来の目的を忘れるところだった。
「ところで廉。俺は情報がほしいから今ここにいる。」
「なんでも聞いてください。」
すっかり仕事モードに切り替えた廉が龍と共にソファに腰を下ろした。
「雄二の親についてのことだ。」
俺の雄二への呼び方が変わったことに少し驚いてはいたものの、すぐに切り替えたらしい。
さすがプロだな。
「牧野のご両親のことですか?そういえば借金を抱えているとか。」
さすが情報が早い。
それを知っているのならもしかすると。
「さすがだな。その借金について、どこに借りてるとか、今どんな状況だとか詳しいことが知りたいんだが。」
「そうですね。確か借りてるとこは〔サンサン金融〕ですね。黄是組がやっています。ただ、金額が相当なものですから帳消しとはいかないでしょう。」
黄是組か・・・。
これも親父に言う必要があるな。
「金額がどれくらいかわかるか?」
「現在5千万はいっているかと思われます。」
どうしたらそこまでいくんだ?
人間性を疑いたくなるんだが・・・。
「雄二。お前の親父さんそんなに金にルーズなのか?」
「俺がいたときはそうでもなかったと思うけど、俺が知らなかっただけかもしれないし。」
子供には黙っていたということか?
実際話してみないことにはわからない。
まずは親父に電話を入れることにした。
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