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倦怠感の残る身体だけど気合を入れ歩いていく。
「ごめん。蝶哉。身体大丈夫?」
「気にするなって。お前だけが悪いんじゃないから。」
コンビニに着くと龍が運転手で車が待っていた。
おはようと挨拶をして、荷物を乗せて飲み物だけ買ってくる。
車に乗り込むと、廉が助手席にぐったりとしていた。
こっちも激しかったのか・・・。
思わず口に出してしまった。
「龍。やりすぎたのか?廉がぐったりしてる。」
「そうでもないと・・・思うんですけど・・・。」
自信なさげに答える龍だったけれど、次の廉の言葉で少し反省の顔になった。
「お前、俺もう無理って言ったのにどんだけやってんだよ。俺は歩くのさえキツイっての。」
やっぱり、やりすぎたのかと呟いた俺に隣の雄二が苦笑いだった。
俺らも人のこと言えないけど、歩けないほどじゃない。
目の前でイチャついてるようにしか見えない2人のやりとりは実家につくまで続いた。
途中俺は雄二の膝枕で横になり目を閉じると、助手席から廉が雄二に話しかけてくる。
俺は完全に眠りに入ってなかったせいで全ての会話が聞こえていた。
「牧野は蝶哉さんが好きなの?」
「えっ?」
廉は気づいていて聞いているのだろうか。
「そんな顔してたらわかるよ。愛おしそうに見つめちゃって。」
確かに視線は感じてはいるけれど、俺にとっては心地よかった。
雄二が俺を見る目が、常に恋人に向ける目ならば、外では平常を保ってもらったほうがいいだろう。
「えっと・・・。」
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