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俺は雄二に触れていたかったから横になった。
倦怠感があるのも理由のひとつではあるけれど。
会話は続いていた。
「蝶哉さんは知ってるの?というかそんな目で見てたら気づいてるんじゃない?」
それ以外のこともあって確信はしたけれど、俺から言うのは照れるから寝たふりをする。
「はい。知ってます。」
そこは正直に言うんだね。
なんか全部話されてしまう気がするんだけど。
「蝶哉さんは顔に出さないからわかりにくいんだよねぇ。」
「そうですか?」
わかるのはお前限定だろう。
雄二の前では感情隠してないから。
2人でいるとき限定だけど、もしかしたら他の場所でも雄二にはわかってしまうのかもしれない。
「愛の力だねっ。」
なんだそりゃ。
廉は俺たちが付き合ってることには気づいてないのか。
龍はどうかわからないけれど。
そう思った時に龍が核心をついた。
「牧野。蝶哉さんと付き合ってる?」
「えっ?」
「そうなの?」
俺、やっぱり寝た振りしておこう。
龍は鋭いところがあるから気づいていたんだな。
俺が2人の現場を目撃してしまったからか、今日は俺の代わりに雄二が反撃されているようだ。
「牧野。顔真っ赤だよ~。」
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