第6章

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実家に着くとそこには兄と茉莉さんがいた。 半分家の手伝いをしつつ、兄は大学に通っている。 まだ学びたいことがあるらしく辞める気はないようだ。 「蝶哉。久しぶりだな。そっちはお友達か?」 「蝶哉君久しぶり。元気そうだね。」 2人から話しかけられる。 兄には後で事情を説明したほうがよさそうだ。 「久しぶり。元気だよ。こっちは牧野雄二。寮で同室なんだ。友達だよ。」 兄がうーん。と雄二を見ている。 「お前。牧野圭一の弟?」 牧野の顔が強張った。 「兄を知ってるんですか?」 「やっぱりそうか。あれは気に入らないがお前はそうでもないな。」 何のことだろうか。 兄は雄二の兄を知っているようだ。 「兄貴。どんな繋がり?」 「あぁ。牧野圭一は同じ大学だよ。最近見なくなったけどな。何かに巻き込まれたとか、噂がすごいことになってんだ。俺は関わりないから知らないが。あっちから話しかけてくるけど俺としてはどうでもいい。」 兄が拒絶するタイプか。 通常人を拒絶することのない兄に、ここまで言わせるとは雄二の兄はどんなやつだよ。 「雄二。お前の兄さんはどんな人なんだ・・・。」 「外で媚でも売ってんじゃないの?家の中と外で性格違ってたから。今でも変わらないのかな。」
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