第6章

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雄二が俺の嫌いなタイプに育ってなくてよかった。 雄二の兄であっても俺の嫌いなタイプの男に会わなきゃならないのか。 俺キレたらどうしよう。 「親父が言ってたのはこのことか。蝶哉、行くんだろ?キレるなよ。」 「出来るだけ頑張るさ。兄貴がそこまで拒絶するなら俺も無理なタイプだろうし。」 「お前なら笑顔で海に沈めそうなタイプだな。」 そこまでかよ。 雄二の親にだけ会って話しつけてくるって出来ないのか。 「琉蛇。あなたも行くんでしょ?お義父さんが言ってたよ。連れて行くって。私はお義母さんとお留守番。」 笑顔で兄貴に話す茉莉は肝が据わっている。 将来兄貴は尻に敷かれるかもしれない。 茉莉は母に似た性格をしていると思う。 結局、兄貴も行くのか。 まぁ、跡継ぎだしなぁ。 「この後話すんだろ?」 「ああ。親父が待ってる。行くぞ。茉莉、お袋のとこで待ってな。」 いってらっしゃいと笑顔で送り出している。 婚約者になっただけはある。 さすが兄貴が認めた女だ。
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