第6章

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俺が動く前に親父が動いた。 「そこまで言うなら雄二はお前らには必要ないな。さっきは預かると言ったが貰っていく。黄是。こいつらは好きにしていい。今回だけは何が起きても目を瞑ろう。」 「おやっさんのお許しが出たぞ。さて、お前ら覚悟しておけよ。まだまだ死んでもらっては困るからな。」 4人の顔が青ざめていくのが見えた。 「雄二。俺らを見捨てるのか?なぁ。助けてくれよ。頼むよ。」 今度は泣き寝入りか。 俺はキレる寸前まできている。 雄二が動く気配がした。 「お前らなんか親でも兄でもない。もう俺に関わるな!」 「雄二。帰ろう?」 俺は最後に振り返って言葉を残した。 「お前ら!そいつらを首に縄つけてでもしっかり捕まえとけ!!こっちに現れでもしたら使い物にならなくしちまう自信が俺にはある。まだまだ動けそうだからな。どんな形でも使えるうちに使いたいだろ!?」 4人の顔面蒼白な姿と、他の息を呑む気配が漂う。 俺は悲しいのと怒りが爆発しそうなのを必死で抑えてんだ。 本当なら俺が自らの手で、あいつらを堕ちるとこまで落としてやりたい。 それを我慢して、ここのやつらに全て任せてやってるんだ。 これでも優しいほうだと思ってほしい。
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