第6章

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雄二の組み手を眺めながら物思いに拭けっていると俺の携帯が鳴る。 誰だよと思い着信相手を見ると廉からで、何かあったかなと出ることにした。 「廉。何かあったか?」 『あはは・・・蝶哉さん・・・あはは・・・・聞いてくださいよ・・・あはははは・・・・』 何爆笑してんだ? 特に深刻な状況ではないことはわかったが、笑い声ばかりで全く話がわからない。 電話をしてきて、笑うばかりで要件が中々出てこないというのはどういうことだろうか。 「何か面白いものでも見たか?」 廉の向こうでは龍の笑い声が聞こえる。 そして唯と川霧の声が微かに・・・。 『川霧が・・・あっははは・・・・』 どうやらまだ落ち着かないようだ。 川霧が何かやったのか? 「廉、お前落ち着いてから電話してこいよ。笑い声ばかりで意味わかんねーから。」 『すいません・・・あのですね・・・川霧が唯に・・・キスして殴られました。』 笑いを堪えながら話すから間があく。 先に手を出したのか。 川霧も雄二とやってること変わんねーな。 「前置き何もなしか?」 『そうですよ。出会って数分でキスして殴られまくって、今意識は戻ったものの横になってますねぇ。あはははは。』 かなり面白かったらしい、というよりきっとまだ何かしらのやりとりが続いているのだろう。 龍と廉の笑いが止まっていない。
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