第6章

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雄二が疲れたぁ。休憩~。と俺の元へ戻ってきた。 お疲れ。と笑顔で言ってあげると笑顔が返ってきた。 「それで学校見学は終わったのか?」 『これからですよ。夕方前には帰れると思いますよ。あははは。今告ってますねぇ。拒否られてますが。あははは。』 「笑えることなのか。案内人が動けるようになったら案内してもらえ。切るぞ。後でゆっくり聞くから。」 そう言って電話を切り隣にいる雄二をみると、ぐったりと疲れた顔をしていた。 初日であれだけやればかなりくるだろう。 「大丈夫か?飲み物持ってこようか?」 「大丈夫。午後もやるって。電話なに?」 電話なぁ。 教えといてやるかと、笑い声ばかりの話の内容を思い出す。 「川霧が唯にキスして殴られたんだってさ。」 「告る前にキス?」 信じられないって顔するな。 俺は殴ってはないけど、やってること同じだかんな? 「顔合わせて数分でキスして殴られて、意識戻って告って拒否らしい。」 「顔合わせて数分はないだろ。真っ先にキスしたらそりゃ殴られても・・・。」 前半は納得するが、後半お前が言えることじゃないと思うんだよ。 「雄二。さっきから川霧のこと信じられないって感じに言ってるけど、お前も同じことしただろ。」 「あー。そういえば。うん。俺、殴られなくてよかった。」 少し頬を赤らめて肯定しているが、気にするとこそこか?
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