第6章

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そういえば最初からキスをされることには嫌な感じはしなかった。 あの時から俺は雄二を好きになってきていたのか。 気に入っていたことは認める。 恋愛感情があの頃からあったかはわからない。 「俺最初のときから起きてたけど、というかあれで起こされた。雄二気づいてたか?」 「いや、全く気づかなかった。このくらいならばれないかなと思ってた。今だから言えることだよなぁ。」 俺が雄二を好きになってなかったらどうしてたんだ。 「今だから言えることといえば、最初に雄二を見た時あまり関わらないようにしようと思ったな。」 「まじか。俺あのとき一目惚れしたんだと思う。第一印象にかなりの差がある・・・。」 落ち込み気味の雄二を軽く抱きしめて背中をトントンとしてあげた。 この程度なら外でやっても大丈夫だろう。 「こんなんで落ち込むなよ。ほら、元気だせ。午後は俺も組み手参加するよ。」 「今の俺じゃ蝶哉に勝てない。それどころか全て受け止められそうな気がする。」 「昨日今日始めたやつに負けたらそれこそ使えねーだろ。」 きっと雄二は強くなる。 俺も負けてはいられない。 俺は雄二を全てから守りきる。 そのための強さはいくらあっても足りない。 「雄二。ちょっとこっちこい。」 俺は裏手の誰もいない場所へ雄二を連れて行く。 自分へ引き寄せて唇を合わせた。
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