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「ごめんね、そーすけ」
ごめんねともう一回そう言えば、そーすけは俺こそごめんねとやさしく笑った。
「俺は絶対、そーすけのそばにずっといるよ。急にいなくなったりしないからね」
「……うん、わかってるよ」
わかってるんだよ。そうたはそうただもんねと言い聞かせるみたいにそーすけは呟いた。それが誰と比べてかだなんて、俺はもう気づいてしまっているけれど。
「晩御飯食べよっか。ちょっと遅くなっちゃったけど温めなおすよ」
「じゃあタカノブ呼んでくる」
ほんのちょっとだけ、いやだけど。靴を履いてドアを開ける。
壁をたたいただけでも聞こえると思うんだけど、それはちょっと行儀悪いよってそーすけに怒られたことがあるからやらない。
ちちちっとコンロに火がつく音がして、さっそく良い匂いが漂ってくるような気がした。とたんお腹が空いてきて、俺は急いでタカノブの部屋のドアをたたいた。
【END】
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