第1章 僕と君。

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次の日も僕は昨日と同じカフェに行った。 「いらっしゃいませ」 彼女はテーブルを拭きながら言った。 僕は前に客がいたのかと驚きながら昨日と同じ場所に座る。 彼女は僕が来たことに気付き、さらににこやかになる。 「これ、使えるよね」 僕は昨日もらったポイントカードを差し出すと彼女は「そのカードと交換に新しいものを作りますね」と言った。 それからコーヒーを何杯飲んだかを覚えてないほど、集中して論文を書き上げる。 ひと段落つきコーヒーカップを両手に持ち彼女を見ると、忙しなく何かをしてる。 「これ、サービスです」 私、ケーキは作れるんです。と僕の机にケーキを置く。 ひとくち食べるとコーヒーを飲みすぎて苦くなってた口を甘みが癒した。 「美味しい。ありがとう」 すこし照れて言った。 これが僕と彼女の出会いだった。 コーヒーカップを傾ける彼女を目の前にして、幸せじゃないと言うならなんと言うのか考えてもわからない。 こんな毎日が過ごせればいいのだ。 なんでもない話をして。たまに昔を思い出す。 昔とは月日が経ち少し違ういつもの彼女が目の前にいることで全ては完璧だ。 「なんか考えてでしょ」 彼女は顔を覗き込んでくる。 「ちょっと昔のことをね。君はいつも正しいね」 ドキッとすることを彼女はいつもいう。 「私が正しいならあなたも正しいわね。だって私が選んだんだから」 そう言うと彼女はケラケラと笑い、コーヒーを飲んだ。 僕と彼女はこれまでに何杯のコーヒーを飲んだのだろう。そんなことを考えてしまうただの日常だ。
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